高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議への意見表明
高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議ヒアリング(資料)
日 時:30.5.22 17:20~17:35(文科省旧庁舎2回特別会議室)
 発表者:全国公立短期大学協会 会長 鈴木道子(山形県立米沢女子短期大学長)
第1 公立短期大学の概要と特色
1.公立短期大学の位置
 公立短期大学は、全国に15大学ある地域密着型の大学です。
 県   立   <1大学>
 市   立   <5大学>
 公立大学法人立 <9大学>
2.入学・就職状況
 公立短期大学は、地元からの入学者が多く、かつ、卒業者の地元への就職率が高いことが特色となっています。   
3.志望の事由・学びの成果等(略)
第2 負担軽減方策の主な論点について
1.実務経験のある教員による科目
 <科目の例 (産業情報学科・地域福祉学科の例>
  「デザイン計画論」(非常勤講師)  設計事務所勤務経験者
   「プレゼンテーション」(常勤)   マスコミ関係勤務経験者 
   「ビジネス実務演習」(常勤)    金融関係勤務経験者  
   「映像編集演習」(常勤)      マスコミ関係勤務経験者
   「福祉行政と福祉計画」(非常勤講師)県の福祉関係部門勤務経験者 
     
 <要望>
 ◆ 短期大学の学科は小規模であり、学科ごとに科目の配置割合の基準を設定されると達成困難、大学全体での基準とすべき。
 ◆ 特に人文系学科においては、必ずしも実務経験者のある教員を必用とし ない学科もある。
 よって、人文系学科においては一律の基準ではなく、特色に応じた柔軟な対応も可とすべき。
 (例) 学外でのインターンシップ、実習などで、実質的に実務経験者からの指導を受けている場合などは、対象とすること。
2. 外部人材の理事
 (1)法人化している場合
 設置者の定めに基づき「理事」のうち1~3名の外部人材を置いている場合や、「理事」には外部人材を置いていないが、「経営評議会」や「教育研究評議会」等に外部人材を置いている大学がある。
 外部人材の活用は、大学運営や教育研究活動について、その知見・識見を生かすこと。
(2)法人化していない場合(県市立)
 ◆ 有識者懇話会を年に1~2回開催(構成員;教育長、校長、NPO理事長)
   役割;高大連係、就職問題など
 ◆外部アドバイザー委員会(構成員;外部有識者)
   役割;大学運営、業務改善について意見聴取
<要望>
 ◆ 法人化している場合であっても、「理事会」に固定せず「経営評議会」や「教育研究評議会」等に外部人材を置いている場合も対象とすべき。
 ◆法人化していない大学では、何らかの形で外部有識者の意見を聴取し大学運営や教育に反映させている場合も対象とすべき。
3.厳格な成績管理
 (1)GPAを導入している場合の活用例【学生の評価をする場合】
 ○進級及び卒業の際に各学科席次(GPA)1位を表彰
 ○保健師コース選考基準に活用
 ○授業料減免学力基準としてGPA上位1/2以内
 学生の席次を評価する場合は、GPAの数値が大きい者を上位とし、数値が同一の場合はGPA評価対象科目の総単位数の多い者を上位とし、同数の場合は、優の科目数の多い者を上位とする。 
 (1)GPA以外の評価と活用例
 S	90~100点
 優	80~90点未満
 良	70~80点未満
 可	60点~70点未満
 不可	60点未満
 【学生の評価をする場合】
 ○編入するに当たっての評価、提供する成績情報
 ○授業料減免の評価
 ○その他、就学指導等に際しての評価
    
 4.財務・経営情報の開示
 (1)財務・経営情報の開示
 ①法人化している場合
 設置者(地方公共団体)の定めに基づき、情報開示している。
 あるいは、設置者(地方公共団体)の定めに基づき大学の定款を定め、これにより情報開示している.
②法人化していない場合(県市立)
 設置者(地方公共団体)の定めに基づき、情報公開することは可能。
(2)教育活動情報の開示(就職や進学など)
 「大学ポートレート」や、「大学独自のホームページ」、各種「ガイド」などにより、3つの方針(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシー)や卒業後の進路(就職状況、進学状況)などについて、学科別に、また、進路の分野別等により積極的に開示している。
5.全般事項
 <要望>
 公立短期大学を目指す学生には、幼・小・中・高等学校段階からの家庭の経済的な環境もあって、短期大学を選択することとなった者も少なくない。
制度設計に当たっては、成績評価に偏ることなく、勉学に対する意欲を評価する制度としていただくとともに、幅広く、意欲ある学生が制度の恩恵を受けられるよう配慮していただきたい。
また、恩恵を受ける者とそうでない者の段差をなだらかにするとともに、家庭経済環境を考慮し、減免を受けながらアルバイト等により生活費を獲得することも可としていただきたい
